処置・手術

歯科臨床のインシデントレポート ピットフォール

2008年06月02日(Mon)▲ページの先頭へ
手指を噛まれないために
 治療中に患者の閉口により手指を噛まれてしまうことがある 原因は色んな場面が考えられるが このようなことがないように普段から治療中に歯列上に指を置かないように注意を払うべきである 開口の保持が困難な場合には開口器やバイトブロック 開口器付き吸引装置の固定が有効であるが いずれも意思の疎通が容易で 治療そのものへの協力が十分である場合に限られる
 治療への協力が全く見込めない あるいは困難である場合には体動により脱落したり装着が不可能である そのような器具を使用する前に十分に人手を確保し 身体固定の手段を講じておかなくてはならない なおかつ迅速に処置が完結できるように準備を十分にしておくことも必要である
 顎関節の脱臼の徒手的整復術の際はガーゼを手指に巻いて あらかじめ噛まれることを前提に準備をする
 


2007年03月04日(Sun)▲ページの先頭へ
気管切開のケアについて
 口腔外科の病棟では気管切開後のケアを行うことも少なくない
気管カニューレのカフ付のものでは内部のエア圧力が高すぎると気道粘膜のうっ血や損傷を起こす危険があるため 少なくとも日に2回はベッドサイドでエア圧の管理を実施し 気道粘膜の末梢循環を確保すべきである 異常は出血や感染の有無や喀痰量の増減を確認する
 カニューレの周囲は清潔を保ち 喀痰や唾液などで汚染した場合には放置せずに消毒をしてガーゼを替えておく 消毒の際には丸綿球や角コットンは切開部分に落とし込まむ恐れがあるので使用しない 角ガーゼか止血鉗子に巻ガーゼで消毒液を浸漬して固く絞ったものを使用するとよい 切開部分を閉鎖しないように注意する
 カニューレを固定するガーゼは体動や体位変換などの際に迷入したり 塞いだりしないようにサイズや形状は適切にし ガーゼの繊維クズが断端からはみ出したりしないように処理する 


2006年05月02日(Tue)▲ページの先頭へ
器具の受け渡し
 歯科器具の受け渡しはいかなる場合においても 絶対に患者の身体の上に置かない 上を通さない 水平位診療であるため患者の身体の上での器具の受け渡しは厳禁する  特に探針やデンタルピンセット エキスカ エバンスナイフ メス 針などの鋭利な器具 アルコールランプやトーチなど火炎を使う器具 溶解したワックスなどは 誤って落下することが患者の身体の安全にかかわる
 またFCや次亜塩素酸ナトリウム(ネオクリーナー) サフォライドなどの薬品や薬品のついた綿球なども身体の上は通さない


2006年04月16日(Sun)▲ページの先頭へ
有病者の局所麻酔
 有病者に限らず 浸潤麻酔は無痛的に行うよう配慮と工夫が必要である
@笑顔や優しさ 会話による安心感を与えること
A麻酔部分に表面麻酔を塗布し 圧迫しておくこと 
Bあらかじめカートリッジを温めておくこと 
C注射針を32Gくらいの極細のものを使用すること 
D針の刺入する場所(刺入点)は口腔内の痛覚受容器の少ない場所から行うこと 
E深呼吸をして落ち着かせ呼気に入ってから針を刺入すること 
F麻酔注入時の速度は出来るだけゆっくりと行うこと
G「痛くないですか?」と声をかけること
H麻酔中の貧血の目安として 軟口蓋の色調の変化に注意する

 基礎疾患のある患者でも外来通院可能で 身体活動に制限がないコントロール良好な状態であれば 2%キシロカインカートリッジ1本の量であれば問題はない
 入院加療中や在宅療養管理中 身体活動に制限のある場合やコントロール不良の場合ではあらかじめ医科主治医のコンサルテーションを行ってから麻酔を使用する治療に着手する 
 歯が動揺しているとか 重度のカリエスで抜髄するなど やむを得ず麻酔を使用する際にはノルアドレナリンの添加されていないシタネストかスキャンドネストを使用すると良い 止血と鎮痛に対する効果を考慮すると むしろキシロカインカートリッジ1.6ccまでを使用する方が安全であるとする考えもある 
 筆者はむしろ後者の考え方を支持しているが 麻酔による合併症や事故の多くは内因性カテコールアミンの増加によるものが多い 特に麻酔刺入時に内因性カテコールアミンが血液中に増えるため 筆者はこれを防ぐために鎮痛効果に不安がある場合には麻酔当初は血管収縮薬を含まないスキャンドネストカートリッジを使用して麻酔範囲を確保しておき ついで局所の止血効果を得るためにオーラ注1.0mlカートリッジを使用している 


2006年03月15日(Wed)▲ページの先頭へ
智歯抜歯について
 智歯の抜歯においては必ずレントゲンにて解剖学的位置を十分に把握をしておき 切開線の設定や骨削除の範囲と量 分割抜歯においては歯牙の分割方法について検討し 安全に配慮して 手術に伴う組織の損傷をできるだけ必要最小限とするように努める 
 インフォームドコンセントとしては術前に下記のことについて説明同意を得る
智歯の抜歯について術式 所要時間 術後に起こる症状 すなわち出血 腫脹 疼痛 開口障害 嚥下痛 皮下出血斑 三叉神経第三枝(下顎神経)および舌神経の支配領域の知覚異常の可能性 またそれらに対しては適切に対応することを説明し 症状が重くなるであろうことを示唆していたずらに恐怖心を与えることよりも いかなる状況であれ最善を尽くして良好に経過するよう努めることを約束して安心を与えることが肝要である 事前に説明と同意を得ておいたことを証する同意書の作成が望ましい
 水平埋伏智歯の抜歯の際には歯冠分割するが エアータービンによる分割操作において頬側より舌側にバーを向けることは舌側に走行する脈管や神経の損傷を起こす危険があるために慎重でなければならない マイセルマレットを用いて叩打分割する際も同様である 舌神経の損傷を防ぐには埋伏歯の舌側歯槽骨を破壊しないよう舌側歯肉のフラップを形成して粘膜剥離子で保護しておくとよい また縫合の際に舌側粘膜を深く拾わないようにする


   


歯科医療従事者向けです


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カレンダ
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